軒天(のきてん)とは軒天井(のきてんじょう)、軒裏天井(のきうらてんじょう)とも呼ばれ、屋根が外壁より出っ張っている天井の部分を指します。材料はケイカル板やベニヤ板、フレキシブルボード、金属板等々、多くの種類が存在します。その中でも耐火性や耐水性があり、コストパフォーマンスに優れているケイカル板が最も多く使われています。それでは、軒天は一体どのようの役割を果たしているのでしょうか。

雨水、日差しによる外壁の劣化を軽減


軒天が張り出していることによって、直接雨や日差しが外壁に当たるのを防いでくれるので、劣化速度を遅めてくれます。また、屋根の構造部分を隠して美観を保つ役割も担っています。

屋根裏の換気


軒天をよく見ると無数の穴や通気口が取り付けられている事が多いです。換気をする事で屋根裏に湿気が溜まるのを防ぐ事ができます。 屋根裏に湿気が溜まってしまうと、構造躯体が結露し、寿命を早める結果に繋がります。

延焼防止


住宅で火災が発生した際、軒天がないと室内の火が窓などから屋根に燃え移りやすくなり、家全体に火が回ってしまいます。軒天は不燃材が使われている事が多く、火災の延焼速度も遅らせてくれます。

軒天のメンテナンス


穴が空いていたり、雨染みが酷い等、劣化の程度が甚だしい場合は軒天の増し張りや張替え、板金でカバーする工法等を施工させて頂く場合もありますが、そうでない場合は以下のような手順で、塗装での保全を行います。塗料は軒天の材質によって選定します。

下地処理


高圧洗浄後、ヤスリをあて塗料の密着力を上げます。劣化の具合で、張り替えたり、増し張りをします。ビスの跡や継ぎ目が目立つ場合はパテで平らに馴らし、下地を整えます。

下塗り


下塗りをします。

中塗り


中塗りをします。

上塗り


上塗りをします。

完成


軒天が劣化し、穴などから鳥や虫が侵入するケースもあります。雨風をしのげる場所は彼らにとって楽園です。劣化の度合いによってメンテナンス方法も費用も変わってしましますので、こまめなチェックが必要です。